みょうほうれんげきょう_けんほうとうほんだいじゅういち
ご本尊様のモデル
これまでは霊鷲山が舞台でしたが、今回から場面転換します。つまり、これから大事なことが起こるのです。私が毎日手を合わせるご本尊様は、この章から始まる内容がモデルですし、他にも重要な事がいくつも暗示され、これから内容盛りだくさんです。
見宝塔品のストーリー
お釈迦さまが布教の大切さを説かれると、見渡せないほどの巨大な塔が地面より湧き出でました。その塔は宝物で美しく装飾され、天人が音楽を奏で、得も言われぬほど、五感に心地よい宝塔です。そして空中に留まりました。
皆が宝塔に心を奪われていると、中から大きな声が響き渡りました。
「誠に素晴らしい!誠に素晴らしい!釈迦牟尼仏よ。よくぞ一番大切な法華経を説いてくれた。釈迦牟尼仏の言葉は、正にすべて真実である!」
皆は驚きつつも、手を合わせます。
大音声の主は?
大楽説菩薩はお釈迦さまに聞きました。
「なぜ宝塔が地面より湧き出でたのでしょう?この声の持ち主はどなたでしょう?」
お釈迦さまは答えます。
「この宝塔にはある仏が安置されている。遙か昔、宝浄国に多宝仏という仏がいた。菩薩の修行をしている時、ある誓願を立てる。
『私が仏となれば、法華経を弘めるものを守護しよう。たとえ我が身が滅しても、どこかの世界で法華経が説かれれば、私は墓の姿になってもなおそこに駆けつけ、その正しさを証明しよう』。
そうして多宝仏は、
『わが亡き後、私を供養するならば、全身を大宝塔に安置しなさい』
と言い残して滅したのである。」
大楽説菩薩が
「是非とも多宝仏のお姿を拝見したい」
と願うと、お釈迦さまはこう言いました。
「さらに多宝仏はこうも誓願した。
『姿を現す時は、わが分身らをすべて結集させよう』
と。」
この世が清浄世界に
すると、お釈迦さまの眉間から白い光が放たれ、数えきれないほどの世界が照らし出されました。どの世界にも、仏とそれに師事するすばらしい菩薩たちの姿が見えました。それぞれの世界の仏様たちは、一様に同じ言葉を発します。
「私はこれから娑婆世界の釈迦牟尼仏の下へ行き、多宝仏の宝塔を供養する」
と。
そうするや否や、お釈迦さまはこの娑婆世界を、清らかな世界に一変させました。何の障害もなく、美しい宝物や花で満ち溢れた素晴らしい世界です。この世界には、法華経を信じたお弟子さんしかいません。多宝仏の分身たち、さらにはお釈迦さまの分身たちも次々と結集し、ついにはこの娑婆世界は清浄な世界へと変わったのです。
結集した仏の分身たちは、お釈迦さまに
「つつがなくお過ごしですか。お弟子さんたちも安穏ですか。私も宝塔が開くことを願っています」
と挨拶しています。
二人の仏さまが並び座る
皆が揃うとお釈迦さまは、空中に浮かび上がりました。そうして宝塔を開くと、遙か昔に滅したはずの多宝仏が瞑想している姿が見えました。多宝仏はまた大音声を発します。
「誠に素晴らしい!誠に素晴らしい!釈迦牟尼仏よ。よくぞ一番大切な法華経を説いてくれた」。
そうして、お釈迦さまが多宝仏の下へ行くと、多宝仏は少し場所を譲り、そうして、二人の仏さまが並んで座られたのでした。
「仏様の近くに行きたい」
と願ったお弟子さんたちの心中を察したかのように、お釈迦さまはみんなを空中に浮かび上がらせ、大音声でこう告げました。
仏滅が明らかに
「法華経こそが真実なのだが、これを守り弘めるのは困難だ。たとえ少しでも弘めるものがいたならば、私も諸仏も悦ぶ。世間のどんなことよりも、仏滅後の悪世に法華経を弘める方が困難なのだ。これに立ち向かう姿こそ勇猛精進といい、どんな苦行よりも、法華経を弘めるものこそ、煩悩を滅したものと呼べるのだ。
私はこの教えを誰かに託したい。わが意を継ぎ弘めるものは、真の仏弟子であり、すなわち仏となる。私は間もなく滅するが、誰がこの娑婆世界で法華経を弘めてくれるか?皆のものよ。諸仏はこの教えが永遠に広まるよう結集したのだ。諸仏が一堂に会した今こそ誓願を立てるに打ってつけの時ではないか!仏滅後の悪世でもこの法華経を理解するものは、世間の眼目となりすべてのものを導くだろう。天に守られ、供養されるであろう。」
まとめ
場面が清浄世界(虚空)へ変わり、法華経は真実であると証明するために、多宝仏が出現、二人の仏さまが並びます。また、仏はさまざまな分身がいることもわかります。教えを信じた弟子だけが残ったところで、お釈迦さまは自分が滅することや法華経を弘めることが困難であることを明かされた上で、布教を勧められました。


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